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MIZUTANI YASUO
建築の世界に進もうと思ったのは、10代の頃でした。「分譲地に好きな間取りを考えよう」という授業があり、とにかく面白くて夢中になって考えたのを覚えています。10歳離れている建築士の姉が、自宅で図面を描いているのを見ていたのも、建築に興味を持ったきっかけだったのかもしれません。
住まいを設計する際、常に意識しているのはお客さまの話を伺いながら、お客さまが気づいていない要望や願いも引き出していくこと。
設計の仕事は、例えば10個の要望があったとして、それを全て叶えるのでは足りないと思っています。10の要望があるなら、それ以上のものを提案できるように、お客さまの言葉以外からもヒントを探します。
お持ちの服やアクセサリー、乗っている車、休日の過ごし方…。一つひとつにきっとお客さまなりのこだわりや、好み、そして想いがあると思うからです。
もちろん、住宅にそれら全てを繋げることは難しいかもしれません。けれど、お客さまの考えや趣味嗜好を知ろうとすることで、見えてくるものはたくさんあります。
例えば、赤がお好きなお客さまがいるとします。「赤」といっても原色のはっきりとした赤もあれば、くすみがかった落ち着きのある赤もあります。どの色が好きなのか、きっとお客さまのことを考えていたらわかることもあるのではないでしょうか。
設計士の仕事は、お客さまと話をしながら、願いを引き出すだけが仕事ではありません。叶えたい夢や予算などを整理して、優先順位を決め、形にしていくことも大切な仕事です。有名なアーティストとも言える建築家でない限り、自分たちのスタイルをお客さまに押し付けてはいけないと思います。
あくまでもお客さまの暮らしが主役であると考え、表現された空間がいつのまにかスタイルになる。住まう方がより自分らしく過ごすことができる住まいこそが、私の目指す住まいです。
ぜひあなたの夢を、まずはお聞かせください。
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