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2023.02.12
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注文住宅を建てるには、まず安全な土地選びが重要です。もしも地盤が弱い土地に建物を建ててしまうと、地震などの災害時に建物の安全性に影響が出てしまう恐れがあります。そこで今回は、ハザードマップをもとに静岡県浜松市西区の地盤の強度などについてお話します。併せて、耐震・免震・制震の違いなどの基礎知識も解説しますので、是非参考にしてください。
【目次】
地盤が強いのはどんな土地?
【静岡県浜松市西区】の地盤をハザードマップで確認しよう
土砂災害のリスクが高い場合はどうする?
耐震・免震・制震の違い
災害時に自治体で行っている補償制度はある?
【静岡県浜松市西区】で家づくりをするならエスコネクトにお任せ!
地盤の強さには、その土地の地層が関係しています。まずは、地層の種類と特徴を確認しておきましょう。
地層とは、砂や小石、火山灰などが堆積することで層状になった状態をいいます。地域によって、地層の種類や厚さが異なるのが特徴です。地層には主に次のような種類があります。
水を多く含む軟弱な地層は、地盤沈下が起こりやすいため家を建てるのには向いていません。また、砂層は液状化に注意が必要です。洪積層や砂れき層であれば、家の建築に向いているでしょう。
地盤が強いかどうかは、地盤強度を数値化した「N値」によって判断されます。N値はボーリング調査によって算出され、N値が大きい数値であるほど、固く強い地盤です。N値の目安は、粘性土で5以上、砂質土で10以上あれば、一戸建てに適しているといえます。
ここからは浜松市西区の地盤強度についてみていきましょう。
浜松市西区で、土砂崩れや液状化が起こりやすいエリアはどこなのでしょうか?ハザードマップから分かることをまとめてみました。
浜松市西区は浜名湖の東側に位置しています。市内のほとんどのエリアは、元々河床や海底だったところが陸化した段丘地形で、浜名湖に接する面は泥質地盤です。浜松市西区では、浜名湖沿いの泥質地盤になっている場所ほど土砂崩れが起こりやすいとされています。
液状化は、砂の地盤に地震の衝撃が加わることで、地層が液体のようになることです。液状化は、埋立地、干拓地、砂丘や砂州の間にある低地などで起こりやすいとされています。浜松市西区では、浜名湖に隣接する土地が埋立地や砂泥質地盤になっているため、液状化が起こりやすいでしょう。
浜松市では、2022年の台風15号により天竜区で土砂災害が発生しました。土砂災害の警戒区域以外でも被害が出ていて、特に、山林と住宅密集地の境目で土砂災害が発生していたことが分かっています。
また、静岡県は、近い将来発生するとされている「南海トラフ地震」の想定震源地に近い地域です。南海トラフ地震が起きると強い揺れが長く続く可能性があり、液状化が発生しやすいとされています。
浜松市西区には浜名湖に面しているエリアが多くあり、そのような土地は土砂災害や液状化の危険性が高い地域です。そのため、浜名湖に面するエリアから離れた土地であれば、家を建てるのに適しているでしょう。土地を探す際には、ハザードマップを確認することも大切です。その土地で起こりやすい災害について知り、安全性の高い土地を選ぶようにしましょう。
目当ての土地を見つけたら、まずは地盤調査をして、土地の強度を確認しましょう。地盤調査をしたのち、住宅を建てるのには地盤が弱い場合は、地盤改良をして対策を行います。
地盤強度を表すN値は、地盤調査を行うことで分かります。地盤が弱いと判断された場合は地盤改良が必要です。では、地盤調査と地盤改良にはどのような方法があるのか見ていきましょう。
居住用の一戸建て住宅の地盤調査では、一般的に下記の方法が用いられることが多いです。
<SWS試験>
SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)は、一般的な住宅を建てる際に行われる調査方法です。SWS試験では敷地の四隅と中央部を調査し、「換算N値」が算出されます。調査にかかる日数は半日程度で、費用は10万円程度と比較的安いのが特徴です。
地盤改良には主に3つの方法があります。
一般的に、地盤改良といえば表層改良工法を指します。地面を深さ2m程度掘ったところに強固材を入れ、土と強固材を混ぜ合わせて地盤を強化する方法です。
表層改良工法で地盤の強度を上げるのが難しい場合は、柱状改良工法で地盤改良を行います。柱状改良工法は、コンクリートの柱を地面に打ち込んで地盤を強化する方法です。硬い地盤である支持層までコンクリートの柱を打ち込む場合もありますが、一戸建ての場合は支持層まで柱を打ち込まなくても、地震の際に柱と土が一体化して揺れを抑える効果が期待できます。
鋼管杭工法は、軟弱地盤が深い土地に向いている方法で、地面に鋼管を打ち込んで地盤を強化します。小型の重機で施工ができ、工期も短期間なのが特徴です。
天然砕石パイル工法は、小さく砕いた天然石を地面に埋め込み形成した石柱を使って地盤を補強します。軟弱地盤にも適応可能で、地震よりも強く、水はけも良いため、液状化を防ぐ効果も期待できます。
地盤改良のほかにできる地震対策として、家を耐震や免震、制震といった構造にする方法があります。それぞれの違いについて確認しておきましょう。
耐震は、地震の揺れに耐えられるよう、建物自体を強化する方法です。部材の接続部分を金具で補強したり、壁に補強材を入れたりして耐震構造にします。工期が短く費用が比較的安いのが特徴です。多くの住宅に採用されていて、最も一般的な構造といえます。
免震は、地震の揺れを受け流すことで建物へのダメージを少なくする方法です。建物と基礎の間に特殊な装置を入れることで地震の揺れを吸収します。建物に揺れが伝わりにくいため、部材の接続部分など、建物内部へのダメージも抑えられます。
制震は、建物内部にダンパーなどの制震装置を入れて揺れを吸収する方法です。高い建物は上の階が大きく揺れやすいですが、制震構造にすれば上の階の揺れも緩和できます。
浜松市では、「住宅の応急修理」という制度を設けています。災害時に自宅が半壊、またはそれに準ずる被害があったとき、自宅の応急修理費用を市が負担してくれる制度です。自ら修理する資力がない世帯に限り、半壊以上の場合は1世帯上限65万5,000円、準半壊の場合は1世帯31万8,000円を限度として支給されます。詳しく知りたい方は、浜松市都市整備部住宅課へお問い合わせください。
また、災害で住宅が全壊または半壊した場合、支援金が受けられる「被災者生活再建支援制度」もあります。こちらの制度については、静岡県健康福祉部政策管理局企画政策課、または浜松市健康福祉部福祉総務課に確認してみてください。
浜松市西区は、交通の便がよく、商業施設や観光施設も充実していて、暮らしやすさが魅力のスポットです。浜名湖沿いのエリアは土砂崩れや液状化のリスクがあるため、注文住宅を建てるなら浜名湖から離れたエリアで建てるか、十分な対策を講じた上で建てることをお勧めします。。
エスコネでは、耐震・省エネなどの性能とデザイン性に優れた家づくりを行っています。土地探しについてのお悩みもお気軽にご相談ください。
記事監修者:中小企業診断士(住宅コンサルタント)塩味 隆行
一般社団法人 住宅資産価値保全保証協会認定講師
住宅検討をされている方が後悔しない家づくりを実現いただくため、 全国各地で年100回以上、家づくりセミナーの講師を担当しています。 住宅購入の際に必要となる性能や土地についての基礎知識から、 資金計画などの専門的なことまで、客観的かつ具体的に情報をお伝えいたします。
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