浜松市はアクセスの良さや充実した公共交通機関、全国トップクラスの日照時間など、居住先として多くの魅力を持っています。

一方、静岡県の中でも最大級の面積を持つ都市ということもあり、区ごとに特徴が異なります。住むことを考えるのであれば、エリアごとの特徴を理解し、自分にあったエリアを選びたいものです。

この記事では浜松市への移住を考えている方や、単純に浜松市に興味がある方に向けて、浜松市の住みやすさを10の観点から詳しく紹介します。地域別の特徴も解説していますので、併せて見ていきましょう。

【目次】

・静岡県浜松市の住みやすさ
・静岡県浜松市の地域別の住みやすさ
・静岡県浜松市で家を建てる際のポイント
・まとめ

静岡県浜松市の住みやすさ

その土地の住みやすさを評価するには、さまざまな要素を考慮する必要があります。ここでは、以下の10の観点から浜松市の特徴を紹介します。

• 交通網
• 気候
• 治安
• 家賃相場
• 子育て環境
• 災害リスク
• 自然環境
• 買い物の利便性
• 食文化
• 観光スポット

これらの要素を総合的に理解することで、浜松市での暮らしの全体像がより明確になります。それぞれの要素についてみていきましょう。

交通網

浜松市は、新幹線や高速道路へのアクセスが便利で、交通の利便性が高い都市です。例えば浜松駅から新幹線を利用すれば、約80分～110分で東京駅に到着できます。

また、「こだま」と「ひかり」を合わせて、新幹線が1時間に3本程度運転しているため、ビジネスや旅行などで東京への移動が必要な場合も便利です。

ほかにも市内中心部では、バスや路面電車などの交通手段が整備されているため、車を所有していなくても生活しやすい環境が整っています。

＜浜松市の公共交通機関について＞　※2020年10月末時点

出典：https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/111200/2-.pdf

気候の特徴

浜松市は全国トップクラスの日照時間を誇り、降雪も少ないことから、一年を通じて過ごしやすい地域です。そのため、天候による影響が出やすい車の運転や公共交通機関の利用に困ることも　少ないでしょう。

ただし、他の地域と比べて、風が強く、降水量が多いという特徴があります。とくに夏季は雨が多く、冬季は季節風により体感温度が低く感じられます。以下の表は、浜松市とその他（東京都・大阪府）の気候を比較したものです。

＜浜松市とその他地域の気候について＞　※1991～2020年の統計（雪日数のみ1991～2005年）

出典：気象庁｜過去の気象データ検索

治安

治安を評価するうえで、犯罪件数は重要な指標です。下記の表は浜松市の地区ごとの犯罪件数となります。

＜浜松市の令和4年の犯罪件数＞　※認知件数：検挙の有無に関係なく、犯罪を警察等が認知した事件の数

出典：https://www.pref.shizuoka.jp/police/_res/projects/project_police/_page_/002/001/146/04sichousonhanzai.pdf

浜松市のなかで最も犯罪件数が多いのは、浜松駅すぐの北東に位置する旧中区（現：中央区）であることがわかります。中央区はかつて分類されていた7つの行政区別のなかで最も面積が最も狭いエリアです。一方人口は最も多く、浜松市の中心部であることが、犯罪件数の多さにつながっていると考えられます。

しかし、次の表のように、浜松市の治安を人口数の近い行政指令都市と比較すると、平均的な治安だといえるでしょう。

＜令和4年の行政地区ごとの犯罪件数＞　※認知件数：検挙の有無に関係なく、犯罪を警察等が認知した事件の数

賃貸の家賃相場

浜松市の賃貸の家賃相場を、20の行政指令都市で比較してみましょう。以下の表は、政府が5年ごとに実施する統計調査のデータであり、1ヶ月の家賃と共益費・管理費の平均を足したものです。

※2024年7月時点の最新版（2018年）

出典元：住宅・土地統計調査 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 全国・都道府県・市区町村 世帯の住居移動 62-1 家計を主に支える者の入居時期(7区分)別住宅の１か月当たり家賃(7区分)別オートロック式の共同住宅の借家数，１か月当たり家賃及び１か月当たり共益費・管理費－全国，都道府県, 21大都市 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

行政指令都市のなかで浜松市は5番目に家賃相場が安く、63,067円となっています。利便性と自然を兼ね備え、天候も比較的穏やかなことを考慮すると、住みやすい家賃相場であるといえるでしょう。

子育て環境

以下の表は、浜松市の子育てに関する補助金・助成金制度と、学校の数をまとめたものです。浜松市は出産から高校世代まで、ひとり親を対象とした制度では最高で20歳近くまで補助を受けられ、子育て世帯を経済的にサポートしていることがわかります。

＜補助金・助成金制度について＞

出典元：手当・助成・手続き – 浜松市子育て情報サイト　ぴっぴ

保育園や幼稚園、学校の数は下表のとおりです。全国的に問題視されていた待機児童は4年連続でゼロであり、十分な教育の場が整っているといえます。

＜学校の数＞

災害リスク

台風や地震などの自然災害が起きた際の、浜松市の災害リスクを解説します。

まず、津波発生時の浸水域の予測について見ていきましょう。以下のマップは、「静岡県第4次地震被害想定」に基づいて作成されたものです。東海道新幹線の線路に沿って、沿岸部に行くにつれて2mから最大10mの津波が予測されていることがわかります。

＜浜松市の津波浸水域の予測＞

引用：https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/39952/tsunami_bousaimap.pdf

続いて、洪水予測も見ていきましょう。洪水に関する予測については、「洪水予報河川」と「水位周知河川」があります。とくに低地や河川近くに住む場合は、これらの予測を十分に理解し、適切な備えをすることが大切です。

＜浜松市の洪水予報河川＞流域面積が大きい河川で、洪水による大きな損害を及ぼす可能性のある河川として国または静岡県が指定した河川

引用：https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/044/017/kouzuiyohoukasen.pdf

＜浜松市の水位周知河川＞上記で紹介した「洪水予報河川」以外の河川で、洪水による大きな損害を及ぼす可能性のある河川として国または静岡県が指定した河川

引用：https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/044/017/suiisyuuchi_ichiran.pdf

自然

浜松市は自然豊かな場所であり、子育てはもちろん、シニア世代まで幅広い年代がのびのびと暮らせる環境といえます。以下の表は、浜松市の主な自然環境をまとめたものです。

＜浜松市の自然＞

出典：https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/7352/02-2_2.pdf

買い物の利便性

買い物の利便性は、交通手段や商業施設の充実度から評価することができます。浜松市内には電車や路線バスが運行しており、主要な商業施設へのアクセスも良好です。

とくに中心部では、公共交通機関を利用してさまざまな商業施設に足を運ぶことができます。商業施設に関しては、浜松駅周辺には「ザザシティ浜松」や「メイワン」といった大型商業施設があり、日用品から高級品まで幅広い商品が手に入ります。また、郊外にはイオンモールをはじめ大型の商業施設が点在していることも特徴です。

＜交通手段＞

＜商業施設・商店街＞

食べもの（浜松の名産品）

浜松市は自然豊かな土地で日照時間も長いため、多くの名産品に恵まれています。 以下の表は、浜松市の主な名産品をまとめたものです。

＜浜松市の名産品＞

とくに、三ヶ日みかんやクラウンメロンといったフルーツは全国的にも有名で、浜松市が誇る特産品です。

また、浜名湖や遠州灘に面していることから、うなぎやしらす、のりといった海産物も豊富です。 そのなかでも、うなぎの蒲焼きは浜松市を代表する名物料理の一つとなっています。

観光スポット

浜松市は静岡県のなかで最大の面積を誇るため、動植物や自然にまつわる観光スポットが多く存在します。主な観光スポットは下記のとおりです。

＜浜松市の観光スポット＞

静岡県浜松市の地域別の住みやすさ

浜松市は広大な面積を有するため、各地域によって特徴が異なります。ここでは、天竜区、浜名区、中央区という3つの主要な地域に焦点を当て、それぞれの特徴と住みやすさについて解説します。

天竜区：自然豊かなエリア

天竜区は浜松市の北部に位置し、市域の面積の約61％（※）を占める大きな地区です。面積の約91％（※）が森林で覆われており、自然豊かなエリアとなってます。「北遠五名山」と呼ばれる5つの山々からなる景色は、絶景スポットとして有名です。

また、天竜区には多くの河川が流れており、釣りスポットとしても知られています。近年では道路の整備も進められていることから、子どもから高齢者まで幅広い世代が安心して暮らせるエリアとなっています。

出典：天竜区の紹介／浜松市

浜名区：車での移動が便利でマリンスポーツも楽しめるエリア

市の中心部に位置する浜名区は、水辺環境と交通の利便性が特徴的なエリアです。浜名湖や都田川水系といった湖や河川が多く存在し、マリンスポーツが楽しみやすい環境が整っています。

交通面では、東名高速道路や新東名高速道路、国道（152、257、301、362号線）や鉄道（県道磐田細江線、天竜浜名湖鉄道）といった道路交通網が結ばれており、利便性の高さも特徴です。

中央区：開発が進んでおり便利なエリア

市の南に位置する中央区は、浜松市の中で最も都市化が進んだエリアです。浜松駅や東海道本線、バスターミナルといった公共交通機関や東名高速道路、国道（1号、150号、152号、257号）などの主要幹線があることから、交通の利便性は非常に高いといえるでしょう。

駅周辺には多くの商業施設があり、買い物や飲食に困ることはありません。また、浜松城公園や遠州灘海浜公園といった自然豊かなスポットも存在しており、都市の利便性と自然環境のバランスが取れた居住地として人気です。

静岡県浜松市で家を建てる際のポイント

続いて、浜松市に家を建てる際のポイントを見ていきましょう。交通や買い物の利便性や、将来的な資産価値を重視するのであれば、駅前や国道沿いにある土地がおすすめです。ただし、駅前・国道沿いでの家づくりには、以下のような注意点もあります。

• 道路の騒音
• 排気ガスの影響
• 泥棒・盗難

それぞれ見ていきましょう。

道路の騒音

駅に近い場所や国道沿いでは、電車や車の騒音が気になるかもしれません。車やバイクの走行音だけでなく、大型トラックが通ると振動が伝わってくることもあります。電車やバスでの通勤・通学が便利な場所ではありますが、静かな場所でないと眠れない方であれば、事前にどのくらい騒音の影響が考えられるか確認しておくといいでしょう。

排気ガスの影響

車やバスなどが多く行き交う駅周辺や国道沿いでは、排気ガスによる影響も考えておく必要があります。家づくりの際にベランダを道路側に設置しないなどの対策をすれば、布団や洗濯物への排気ガスの影響を減らせるでしょう。浴室乾燥機をつけておき、洗濯物を外に干さないといった方法もおすすめです。

泥棒・盗難

駅周辺や国道沿いは、泥棒の侵入や車の自転車の盗難被害のリスクが高い傾向にあります。人通りも車通りも多いことから、人に紛れて逃げられやすいためです。これらの被害を未然に防ぐ手段として、下記の2つの方法があげられます。

まとめ

浜松市は、豊かな自然環境と都市機能が調和した魅力的な都市です。天竜区、浜名区、中央区の3つの主要なエリアは、それぞれ異なる特徴を持ち、さまざまなライフスタイルに対応した環境となっています。

一方で、災害リスクや防犯対策など、考慮すべき点もあります。家を建てる際には、これらの要素を十分に確認し、長期的な視点で判断することが大切です。

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