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2023.05.16
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今住んでいる自宅は、居心地が良いですか?「冬は寒くて夏は暑い…」といった家は、長く住んでいるとストレスを感じてしまうかもしれません。そこで、新しく注文住宅を建てるときに大切にして欲しいのが「住宅性能」です。住宅性能の良い家は住んでいて心地が良く、断熱性能が高いと快適な室温が保たれるため光熱費の削減もできます。今回は、快適な住まいに欠かせない断熱性能について詳しく解説していきます。断熱性能の違いによって、光熱費にどのくらいの差が出るのかを比較してみましょう。
【目次】
快適な住まいに欠かせない断熱性能とは
断熱性能を示すUA値と地域区分について
UA値を示すさまざまな基準
省エネ基準の違いで見た光熱費の比較
静岡県浜松市・湖西市・愛知県豊橋市の気候や地域区分について
断熱性能に優れた家づくりはエスコネクトにお任せください!
断熱性能は、いくつかある住宅性能の中の一つです。断熱性の高い家は光熱費の削減ができて省エネであることから、国が建てることを推奨しています。詳しく説明していきましょう。
断熱性能を一言で説明すると、「外の温度(熱気・冷気)を室内に入れないように遮る」性能です。断熱性能が高いと外気温を遮断してくれるため、冷暖房で快適な室温にした部屋の温度を維持できます。少しの冷暖房で室温が一定に保てると、光熱費の削減になります。また、「断熱性」以外にも「日射遮蔽」「気密性能」などの住宅性能に優れた家は「省エネ住宅」と呼ばれ、国が建てることを推奨しているのです。
断熱性能の高い家のメリットは光熱費を削減できることです。断熱性能が高いと、外気温の影響を受けにくく室温を一定に保てるため、少しの冷暖房の使用で快適になります。冷暖房の使用が減ると、光熱費が削減できて省エネ効果が高まるでしょう。
また、急激な温度変化は、血圧の変動により脳卒中や心筋梗塞などの疾患を引き起こしやすいといわれています。室内の温度が一定に保てると、ヒートショックが起こりにくくなり安心です。一方、デメリットは初期費用がかかることです。しかし、光熱費が削減されればランニングコストを抑えられ、将来的には費用を押さえられる結果になるでしょう。
家の断熱性を高めるには、いくつか方法があります。一般的に使用される「内断熱」と「外断熱」の二つを紹介しましょう。まず、内断熱は、正式には「充填断熱工法」と呼びます。柱や壁の内側に断熱材を詰める方法で、施工しやすくコストも安いのが特徴。主に繊維系断熱材が使用されます。
外断熱は、「外張断熱工法」と呼び、建物の外側を覆う方法です。プラスチック系の断熱材を板状に加工したものを貼り付けるなど、施工に手間がかかるためコストが高くなる場合もあります。
断熱性能を知るには、まず「UA値」について知っておきましょう。UA値とは、正式には「外皮平均熱貫流率」と呼びます。天井や壁、屋根などを「外皮」といい、この外皮を通して住宅内の熱がどのくらい外に逃げ出すかを示した数値です。UA値が小さいほど熱が外へ逃げにくい「高断熱」ということになります。このUA値は、国土交通省が定めた地域区分ごとの基準値があります。地域区分とは、気候が異なる日本各地を8つに分けたもので、それぞれの地域に必要な断熱性能が設定されているのです。
断熱性能は、基準によって数値が異なります。それぞれを見ていきましょう。
住宅やビルなどの省エネ性能や建物の性能に関しての基準、規制を示すものです。建築物省エネ法で定められており、時代と共に何度か改訂され、現在は2016年に改訂された基準を指します。
「net Zero Energy House」の略で、「エネルギーの収支をゼロ以下にする家」という意味を持ちます。蓄電システムや太陽光発電を設置してエネルギーを作り出し、省エネ住宅の性能によって節電することによって、自宅で消費するエネルギー量をゼロ以下にすることが目標。電気料金やガス料金などの光熱費が節約可能なうえ、余った電気は売電できます。
「20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略で、省エネ基準、ZEH基準よりも厳しい数値です。また、HEAT20は、冬の室温が一定以下にならないためのUA値を設定し、室温別にグレードを設けています。
G1…1~2地域でおおむね13℃、3~7地域でおおむね10℃
G2…1~2地域でおおむね15℃、3~7地域でおおむね13℃
G3…1~2地域でおおむね16℃、3~6地域でおおむね15℃、7地域でおおむね16℃
省エネ基準、ZEH、HEAT20の基準値を比較すると、HEAT20の基準の厳しさが分かります。
UA値(W/㎡・K) | |||||||||
グレード | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 | 8地域 | |
省エネ基準 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – | |
ZEH | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | ||
HEAT20 | G1 | 0.34 | 0.34 | 0.38 | 0.46 | 0.48 | 0.56 | 0.56 | |
HEAT20 | G2 | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | |
HEAT20 | G3 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.23 | 0.23 | 0.26 | 0.26 |
2016年の省エネ基準とHEAT20、G2を比較して、どの程度の省エネ効果があるのかの目安として、1.2地域で約35%、3地域では約40%以上の削減が見込まれるとされています。冷暖房なしで一定の室温を下回らない性能は、かなりの省エネ効果が期待できそうです。これから家を建てるのであれば、断熱性能の高いHEAT20、G2レベルを目指すのが良いでしょう。
省エネ基準の厳しい省エネ住宅になれば、年間光熱費を大きく削減できます。どのくらい光熱費に差があるのかを見ていきましょう。
<北海道の光熱費の比較>
地域区分:2
年間光熱費:(省エネ基準なし)393,191円
年間光熱費(省エネ基準):333,174円
年間光熱費(ZEH基準):208,323円
日本の代表的な寒冷地、北海道を例にとって光熱費の比較を見ていきましょう。北海道の地域区分は2です。省エネ住宅ではない住宅の年間光熱費は393,191円。一般的な省エネ基準を満たした省エネ住宅の年間光熱費が333,174円なので、1年間で60,017円の差額が生じました。
さらに、省エネ基準の高いZEH基準で建てた省エネ住宅の年間光熱費は208,323円。省エネ基準に満たない住宅とZEH基準の省エネ住宅を比較した場合、1年間の光熱費の差額は184,868円です。50年間の差額を見てみると、9,243,400円にもなります。
<東京の光熱費の比較>
地域区分:6
年間光熱費:(省エネ基準なし)283,325円
年間光熱費(省エネ基準):222,317円
年間光熱費(ZEH基準):159,362円
次に、温暖地である地域区分6の東京を例にあげて比較していきます。省エネ基準を満たさない住宅の年間光熱費は283,325円。一般的な省エネ基準を満たした省エネ住宅の年間光熱費は222,317円で、1年間の差額が61,008円です。ZEH基準の省エネ住宅の年間光熱費は159,362円でした。
省エネ基準を満たさない住宅と、ZEH基準を満たした省エネ住宅の光熱費の差額は1年間で123,963円となります。こちらも50年の差額を見てみると6,198,150円。寒暖差が北海道程ではないにしても、これだけの差額が発生するのであれば、温暖地でも高断熱の家を建てるのがおすすめだといえるでしょう。
住宅ローンは約30~35年で完済しますが、光熱費は生活している間ずっとかかり続けるものです。建築費の初期費用とランニングコストは、合わせて考えると良いかもしれません。これから注文住宅を建てるなら、国が推奨している断熱性能の高いHETA20、G2基準の住宅を目指してみましょう。
次に、静岡県浜松市・湖西市・愛知県豊橋市の気候の特徴やUA値の地域区分について触れていきます。
静岡県浜松市・湖西市・愛知県豊橋市は太平洋に面し、本州の中心からやや西寄りに位置したエリアです。西から豊橋市、湖西市、浜松市と並んでいます。夏は高温多湿で雨が多く、冬は黒潮の影響で内陸部に比べると温和な気候が特徴です。
2022年の年間平均気温は17.2℃です。季節ごとの平均では1月5.6℃、4月16.7℃、7月26.7℃、10月19.2℃。1月には北西から季節風が吹き、最大瞬間風速20.7m/sを記録しています。1月は雨も1年で最も少なく、1か月の雨量は27mmでした。4月になると雨が増えてきて、湿度が高くなりジメジメ。7月は1年で1番雨が降り、平均湿度も85%と蒸し暑さが伺えます。
2006~2020年の平均データで見ていきましょう。年間平均気温は16.3℃。1月5.4℃、4月14.3℃、7月26℃、10月19.1℃です。1月の降水量が最も少なく50.3mm。4月になると、浜松市・湖西市同様に雨が増えてきます。10月の降水量が最も多く、台風や前線の影響でまとまった雨が降りやすい時期です。
浜松市、湖西市は断熱性能を示すUA値の地域区分は6、豊橋市は7です。6地域と7地域の2016年省エネ基準のUA値は0.87、ZEH基準は0.6、HEAT20、G1は0.56、G2は0.46、G3は0.26となっています。
これから家を建てるなら、断熱性能の高い省エネ住宅をおすすめします。住んでいるエリアに適した断熱性能にするには、家づくりのプロに相談しましょう。
エスコネクトは、「家族らしさ」を大切にする家づくりを行っています。建築家の設計技術と発想力で、お客様のライフスタイルを空間に表現。住宅性能や考えられた生活動線に加えて、デザイン性も優れた家づくりが可能です。浜松市、湖西市、豊橋市エリアで注文住宅を建てようとお考えの方に向けた、家づくりについての勉強会も開催しています。ぜひ一度ご相談ください。
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記事監修者:中小企業診断士(住宅コンサルタント)塩味 隆行
一般社団法人 住宅資産価値保全保証協会認定講師
住宅検討をされている方が後悔しない家づくりを実現いただくため、 全国各地で年100回以上、家づくりセミナーの講師を担当しています。 住宅購入の際に必要となる性能や土地についての基礎知識から、 資金計画などの専門的なことまで、客観的かつ具体的に情報をお伝えいたします。
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